コラム

【機関設計】非公開・非大会社の設立に際し、取締役会を設置するか設置しないか、どちらがよいでしょうか?

Q:非公開・非大会社の設立に際し、取締役会を設置するか設置しないか、どちらがよいでしょうか?

A:非公開・非大会社においては、取締役会設置の有無によって、会社の意思決定手続きが異なります。

取締役会を設置していない会社は、株主総会が万能の権限を有しますが、取締役会を設置している会社では、株主総会決議が限定されています(会社法295条)。

そこで、意思決定手続きに違いが生じる下記の主な事項を参照し、どちらの意思決定方法を採るべきかを考える必要があります。

一人会社のように対立株主がいない会社では、下記の主な事項について株主総会を開催しても煩わしくないため、取締役会を設置せず、取締役会を構成する複数の取締役及び監査役等の人件費を抑制することは合理的であるといえます。この場合、取締役会を設置しないのがよいといえそうです。

他方、対立株主や多数の株主の出現が想定される場合、株主総会ではなく取締役会の方が、下記の主な事項について、円滑かつ迅速に意思決定ができるため、取締役会を設置するのがよいといえそうです。

なお、株主割当による新株発行等、定款の定めによって、意思決定機関を変えることができる場合があるため、機関設計を選択する際は、定款規定を併せて検討するのがよいでしょう。

【非公開・非大会社において、取締役会設置の有無によって意思決定手続きに違いが生じる主な事項】
1.譲渡制限株式(譲渡制限新株予約権も同じ)の譲渡等に関する事項の決定権限

譲渡制限株式の譲渡・取得の承認(139条1項)

承認しない場合の指定買取人の指定(140条5項)

2.募集株式(新株予約権も同じ)の発行等

株主割当て(202条3項)

取締役会非設置会社

取締役会設置会社

            

第三者割当

募集事項(株式数、払込金額等)の決定(199条2項・201条1項)

但し、株主総会の特別決議による委任
株主総会で募集株式の上限、払込金額の下限を定めた場合、募集事項(株式数、払込金額等)の決定を委任できる(200条1項)。

3.自己株式取得に関する事項の決定権限

株式の種類・数、取得対価の内容・総額、取得可能期間の決定

 →原則、株主総会決議事項(156条1項)
 かかる株主総会決議の授権に基づく取得価格等の決定(157条1項2項)

 →例外
 子会社からの自己株取得(163条)

4.株式分割・株式無償割当て等に関する事項の決定権限

株式分割(183条2項)

株式(新株予約権も同じ)無償割割当て(186条3項)

株主総会の招集

招集の決定権限

招集期間(299条1項)

 

書面による通知(299条2項)

6.競業取引・利益相反取引に関する事項の決定権限

競業取引・利益相反取引の承認(356条1項、365条1項)

重要事実の開示・報告

7.会社・取締役間の訴訟において会社を代表する者

取締役会非設置会社

取締役会設置会社

           
8.計算書類の確定・剰余金配当等に関する事項の決定権限

計算書類・臨時計算書類の確定

9.その他

取得条項付株式の取得、自己株式消却における消却株数等の決定、所在不明株主の株式買取りの決定等

弁護士 内本 奈緒子

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